パチンコ業界の動向とコストについて
日本における代表的なレジャーのひとつであるパチンコ業界ですが、近年、規制強化の動きが強まっています。高射幸性遊技機の設置削減が求められ、2021年2月には新規則適用の完全移行を控え、集客への影響など先行きが不安視されております。
市場規模は右肩下がり
ピーク時には30兆円産業と言われておりましたが、(公財)日本生産性本部「レジャー白書2018」によると、2017年の売上は19兆5,400億円とピーク時の3分の2まで市場規模が減少しました。しかしながら、減少傾向ではあるものの2017年の減少幅は縮小しており、減少傾向に歯止めがかかっているとも言えます。
市場減少の理由としては、イベントの規制強化、出玉の規制強化、娯楽の多様化などの理由により、参加人口が減少したことが大きな要因でしょう。「レジャー白書2018」によると、ピーク時に約3,000万人いた参加人口は、2017年には900万人と3分の1にまで減少しています。
また、2020年4月には改正健康増進法が施行され、パチンコ店内が全面禁煙となりました。成人全体の喫煙率は17.7%ですが、日本遊技関連事業協会が実施したアンケートによると遊技客の喫煙率は54.7%でした。全面禁煙化されれば遊技客の半数を占める喫煙者の来店が減少することも予想されます。
警察庁が発表する店舗数、遊技機設置台数の推移を見ると、店舗数は1995年の18,244店舗をピークに年々減少しており、2018年には10,060店舗となっています。遊技機設置台数については直近では減少傾向にはあるものの、店舗数が年々減少する中、2016年まではほぼ横ばいを維持していました。これは、体力のない小型店が倒産していき、体力のある大型店が店舗数を増やしているということです。
過去にパチスロの5号機問題が発生した時には、2007年の新規則への完全移行年に倒産件数のピークを迎えました。2017年、2018年と2年連続で倒産件数は増加しています。2021年2月に新規則への完全移行がなされたことにより、新規則に対応できなかった企業の倒産はピークを迎えることになるでしょう。
パチンコ事業者の対策
このような状況において、新規客の取り込みや禁煙化へ向けた対策を行っていくとともに、機種代・設備代の高騰もある中で、店舗運営費のスリム化を図っていくことが課題です。そんなパチンコ店の運営において、経費の中でも大きなウエイトを占める「賃料」は、コスト削減を考えるときに真っ先に着目したいポイントの1つでしょう。
アミューズメント施設の賃料削減の事例は以下のページに記載しています。