脱毛エステ業界動向とコスト削減について

厚生労働省によるエステティックサロンの定義は、「手技または化粧品・機械等を用いて人の皮膚を美化し体型を整えるなどの指導又は施術」に該当する業種としています。代表的な種類としては、「フェイシャルエステ」「ボディエステ」「脱毛エステ」の3つがあり、エステティシャンが施術します。この記事では、「脱毛エステ」についてご説明します。


・脱毛エステ業界の動向

脱毛には大きく分けて3つの施術方法があり、「光脱毛」「医療レーザー脱毛」「ニードル脱毛」があります。「医療レーザー脱毛」「ニードル脱毛」は脱毛効果が高く、医療機関でしか行えません。この記事でご紹介している脱毛サロンは「光脱毛」にあたり、医療機関ではなくエステティックサロンで行うことができます。医療機関で行う脱毛と比べると脱毛効果は落ちますが、痛みが少なく、低価格で行うことができるのが特徴です。

矢野経済研究所によると、「2022年度エステティックサロンの市場規模は、前年比97.1%の3,141億円と3年連続縮小の見込みである」(矢野経済研究所引用)としています。市場別ではレディース施術市場が2,055億円、メンズ施術市場が96億円、物販市場が990億円となっており、レディース施術市場と物販市場で大部分を占めています。この調査に含まれていない「セルフエステ」は話題となっているエステ形態の1つで、エステサロンに行き自身で施術を行います。価格の安さはもちろんですが、24時間営業かつ男女共に月額定額料金で通い放題のところもあるので、利便性がいいのが特徴です。この特徴が顧客のニーズとマッチし市場を伸ばしています。また、市場規模が小さいながら、前年比を上回る規模に伸ばしているのが、メンズ施術市場です。メンズ施術市場の中でもメンズ脱毛の認知度が高く、都市部を中心に店舗数を増やしていることから、若年層を中心に市場を伸ばしています。今後大幅な市場拡大はないものの、少しずつ市場が拡大していくと見込まれます(矢野経済研究所参考)。


・脱毛エステ業界の課題

脱毛エステ業界は、参入障壁が低く競争が激化しやすい特徴があります。医療機関で行う脱毛とは違い、開業するにあたって必要な国家資格は無く、設備・機器が揃っていれば経験がなくても開業することができます。なので、異業種であるスポーツジムなどからの新規参入も容易であり、顧客獲得が難しくなっています。また近年、価格競争による低価格化が進んでおります。多くの脱毛エステが低価格で脱毛を提供できるようになり、顧客獲得に向けて価格を低く設定する脱毛エステが相次いでいます。しかし、価格競争による低価格化はサービスの質の低下や安全性の問題を引き起こす可能性があります。実際に「低価格の月額制」「通い放題」などで顧客を獲得し、利用者が急激に増えてしまったことで施術スタッフが追い付かず、予約が取れないなどトラブルを起こしている脱毛エステも多く、最悪の場合倒産してしまうケースもあります。そのような状態に陥る前にご提案したいのがコスト削減です。


・コスト削減の必要性

コスト削減は経営の健全性を維持するためにも重要です。理由は以下のことが上げられます。

「競争力の確保」

価格競争による低価格化が進む中でも、コスト削減をすることにより、低価格でのサービスが可能になり、競争力を維持できます。

「顧客の維持・獲得」

コスト削減により、運営側の負担が軽減され、施術スタッフの確保などができるようになるため、低価格かつサービスの充実に注力できます。「予約が取れない」といった顧客のストレスも解消することができます。

「業績改善」

コスト削減により、顧客の獲得ができるようになれば、利益率の向上、財務面での改善が期待でき、経営の健全性が確保できます。

以上のように、コスト削減は経営の健全性を維持するためにも必要不可欠なことです。


・賃料削減について

コストには人件費・光熱費・賃料・税金など色々ありますが、「賃料」は毎月固定かつ他の費目に比べてボリュームも大きな決して無視できないコストの1つです。賃料を削減するためによく考えられるのは、より安い物件に移転するということです。しかし、原状回復費用など余計なコストが発生する上、既存の顧客が離れていく可能性があります。こうしたコストをかけることなく、現状入居している物件の賃料が適正であるか調べ、適正よりも多く賃料を支払っている場合に減額を目指す方法があります。

下記ページでは賃料削減・減額交渉の全体像、及び賃料減額協議が困難なケースや適切なタイミングについて説明しています。

ぜひ、一度ご覧になり賃料削減というご選択を検討してみてはいかがでしょうか。