【事業コスト削減の優先順位】何から手を付けるべきか
事業運営に伴うコストには、実に様々なものがあります。
コスト削減を考えるとき、何から手を付けるべきなのか分からないという方も多いと思います。
いくら削減余地があったとしても、最初からあらゆる費目に無差別的に手を付けるのは賢明とは言えません。
情報収集・検討・見直し・切替えなど、コスト削減にあたっては多かれ少なかれ時間や労力がかかるからです。
コスト削減に取り組んでいる間にも、固定費をはじめとするコストは刻一刻と発生していきます。
かかる労力・負担が大きい割に削減見込み幅が小さい費目よりは、小さな負担で大きく(そして素早く)削減できる費目に目を向けるのが肝要です。
「削減効果(削減幅)」と「難易度」に着目して費用対効果の高い費目を選んで優先順位をつけることによって、合理的なコスト削減を目指していきたいところです。
では、事業運営のコスト削減にあたって、効果の高い費目は具体的に何なのでしょうか。
もちろん業種業態によって大きく違ってきますが、多くのケースで当てはまるものをいくつか選びました。
①エネルギーコスト
電気代は基本として、業種業態によってはガス代・水道代もかかってきます。
・照明を消費電力の低いLEDに切り替える(白熱電球の10分の1ほどの消費電力である上、長寿命です)
・エアコンの設定温度を変える(扇風機を併用する)
・使用状況に応じてより安い電気会社・プランに切り替える
などが挙げられます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
②消耗品コスト
事業運営の中でも、特にオフィスにおける代表的な消耗品は、印刷代です。
1枚1枚の費用は小さくとも、毎回の会議のための資料印刷など、積み重ねれば相当な金額になってしまいます。
一度に全ては難しくとも、ペーパーレス化に近づくことで、印刷代を削減することができます。
ペーパーレスにするメリットは他にもたくさんあります。
・出力や配布の手間がかからなくなる
・ホッチキスやクリアファイルの消費が減る
・データにアクセスしやすくなる(検索)
・保管場所が不要になる
また、より安い他社の複合機に切り替えることで、即効性の高い印刷代削減が期待できます。
③通信コスト
現在利用しているインターネット回線を、使用状況に応じたプランや別の会社に変更することで、コストカットが可能です。
キャンペーンを実施していることもよくありますので、乗り換え時期に合わせて見直しをするのも一つです。
また、インターネット利用にあたっては、回線利用料だけではなくプロバイダ(接続事業者)と契約し、プロバイダ料金を支払うことになります。
プロバイダの見直しによって通信費を削減することも可能です。
アナログ電話を利用されている場合は、光電話に切り替えることで基本料金を下げることができます。
加えて通信量も安くなります。電話料金は遠方であればあるほど料金が上がるので、遠方との電話が多い場合は大きなコスト削減に繋がる可能性があります。
その他、現在の社員数に応じて回線数を減らす、携帯電話会社やプランを見直す、などがあります。
④交通・出張・宿泊コスト
Webツールによるオンラインでの打ち合わせを導入することで、交通費や宿泊費を削減することができます。
従来のやり方を一気に変えずとも、3回の出張のうち1回はオンラインにするなど、少しずつ・段階的に導入するだけでも積み重ねれば大きなコスト削減が期待できます。
金券ショップなどで販売されている航空会社や鉄道会社の株主優待券を利用してより安くチケットを購入するのも有効な手段です。
また、金銭的コストに限らず移動の労力や時間の削減にも繋がるため、その分他の業務・活動に充てることができます。
⑤賃料コスト
固定でかかる費用の代表格が、物件の家賃・賃料です。
オフィスや店舗・倉庫などの不動産物件を借りている場合、賃料を避けて通ることはできません。
例えば月々30万円の賃料が25万円になれば、年間60万円分の節約になります。300万円が280万円になれば年間240万円です。
家賃・賃料を下げる上でまず考えられる手っ取り早い方法は、今よりも安い物件に移転することです。
リモートワークの導入などを背景に、これから先もオフィスの規模を縮小してしまっても問題ないのであれば、グレードを落とすことなく面積の小さいオフィスに移転するのも一つです。
しかし、移転に際しては原状回復費用や引越し費用、敷金礼金仲介手数料に新たな設備投資費用など、様々なコストがかかる上に手間・労力も決して軽いものではありません。
次に考えられるのは、移転することなく、今入居している物件の賃料を下げるという選択です。
物件のオーナーからすれば収入が減ってしまうことになるので、賃料を下げてくれるはずがないと最初から考える方も多くいらっしゃいます。
確かにオーナーとしては収入が減るようなことを進んで受け容れようとは思わないでしょう。
しかし、賃貸借契約の確認や周辺相場の把握に始まり、様々な準備・交渉を重ねることによって、賃料が減額になった事例は数多く存在します。
入居中の物件の賃料減額は、難易度は高いものの、効果の高いコスト削減手法となる可能性は充分にあります。
詳しくはこちらをご覧ください。