24時間ジムの動向とコスト削減について

フィットネス業界は、大きく4つの営業形態があり、「総合フィットネス」「専門型フィットネス」「24時間ジム」「オンラインフィットネス」に分かれます。

2020年には新型コロナウイルスの蔓延により屋内施設での運動が避けられたため、会員数の減少が見られました。しかし、そのような中でも急激に市場を拡大しているのが「24時間ジム」です。

本記事では、24時間ジムの動向、課題、コスト削減の必要性についてご説明します。


フィットネス業界の動向と24時間ジム店舗数増加

※経済産業省が公表したデータをもとにレントプロが作成

上記のデータでは、調査開始の2000年から2019年までは順調に売上高、会員数ともに上昇の推移を見せていました。しかし、新型コロナウイルスが感染拡大した2020年に急激に減少しているのが分かります。一時落ち込んでしまったフィットネス業界ですが、フィットネス事業者の感染対策の努力もあり、2022年にはコロナ前の8割程度まで回復しています。

現在、フィットネス業界は24時間ジムが牽引しており、その中でも店舗数が多い企業、上位3社をご紹介します。

・ANYTIME FITNEES(エニタイムフィットネス)

アメリカ発のフィットネスジムで世界30の国に5,000店舗以上展開しています。2010年に日本に上陸し、国内の店舗数は2023年4月の時点で1,077店舗展開しており、24時間ジムの中で圧倒的に店舗数が多いです。24時間世界中の店舗を利用することができます。

・chocoZAP(ちょこざっぷ)

RIZAP監修の24時間ジムでコロナ禍の2022年に新規事業として開始しました。2023年5月の時点で595店舗まで急激に店舗数を伸ばしており、出店エリアも立地が良く、1階の店舗をメインに出店しています。コンビニ感覚で通えることを売りに、全店舗通い放題、月額2,980円(税別)でトレーニングすることができます。

・JOY FIT24

オカモトグループが運営しているフィットネスジムで、「JOY FIT」「JOY FIT 24」「JOY FIT YOGA」「JOY FIT +」を全国230店舗以上展開しています。この4つの中でも24時間ジムの数が多く、特徴として他の2社とは違い、男女別でロッカーを利用することができます。

24時間ジムが増えている要因として、以下3つ上げられます。

・会員費が低価格で顧客獲得がしやすい

・様々なライフスタイルに対応できる利便性

・売上・利益構造がストック型

高額な会員費が発生する総合フィットネスやパーソナルジムではなく、低価格で利用できるところにニーズがあり、利用者の年齢層も、ほとんどが20代~40代の働き盛り世代が中心です。深夜、早朝など時間を気にすることなく、自宅や職場に近い店舗を利用できるため利便性が良く現代のライフスタイルにマッチしているといえます。また、月額定額かつ継続する会員が多いので安定した売上・利益が見込めるのも増えている要因になります。


会員獲得に向けた価格競争

多くの24時間ジムの会員費は7,000~10,000円の価格帯となっていますが、最近は約3,000円~とさらに安い料金設定の24時間ジムが急激に増えています。これには理由があり、店舗自体が狭く、最低限のトレーニングマシンのみが置かれ、シャワーなどの設備も設置されていないためです。ですが、トレーニング以外にもサービスを受けることができるため、幅広い層に対応することができます。今後はそれぞれのニーズを掴んだ価格設定をする必要があり、消費者としても選択肢が増えたことでコストパフォーマンスの優れたジムを選択するようになるでしょう。


コスト削減の必要性

24時間ジムは、ストック型ビジネスで安定した売上・利益が見込めるものの、競合他社が増え、年々店舗数が増加しています。以前は、FC店舗を出店すれば、会員を獲得することが容易にできたかもしれません。しかし、各社の出店スピードと利用者が現在のように比例してくるとは限りません。24時間ジムの中でも多少違いはありますが、競合他社が乱立するようになれば、今後、1店舗当たりの会員獲得数が鈍化することが予想されます。そのような状況でも長く事業を続けていくために、ランニングコストは抑えたいところです。主に人件費、賃料、光熱費になりますが、人材不足は業界でも問題となっているため削減が難しいです。電気代は24時間365日照明、エアコンなど電気を使うため、削減することができれば大きな削減効果を生むことができますが、近年、各社とも電気代が急激に上がっていることもあり、こちらも削減することが容易ではありません。


賃料減額という選択

人件費、電気代を削減すると業務に支障が出る可能性がありますが、「賃料」であればそういった心配はありません。賃料を削減することができれば、削減効果が大きいので、長く事業を続けられる可能性が格段に上がります。

賃料を削減するためによく考えられるのは、より安い物件に移転するということです。しかし、原状回復費用など余計なコストが発生する上、既存の顧客が離れていく可能性があります。こうしたコストをかけることなく、無料で現状入居している物件の賃料が適正であるか調べ、適正よりも多く賃料を支払っている場合に成功報酬で減額を目指す方法があります。

下記ページでは賃料削減・減額交渉の全体像、及び賃料減額協議が困難なケースや適切なタイミングについて説明しています。

ぜひ、一度ご覧になり賃料削減というご選択を検討してみてはいかがでしょうか。