【リスク】賃料減額交渉をする際の注意点

会社の経費の中で、比較的大きなウエイトを占めるものの一つが「賃料」です。
そして売上を問わず毎月固定でかかってくるコストでもあります。
店舗などをいくつも構えている場合、毎月数百万円、数千万単位の賃料がかかっているという方もいらっしゃるかと思います。

各店舗の賃料を少しでも削減することができれば、年間にすると相当なコスト削減に繋がります。
そして賃料を削減するためには、もっと安いところに移転するか、物件オーナーに減額を要望し、交渉しなければなりません。
移転するとなれば原状回復や引越し、新物件の設備投資など、莫大な費用がかかるため、割に合うとも限りません。
一方で、今の物件賃料を減額することができれば、余分な費用をかけることなくコストを大きく削減できます。

ただし、賃料減額交渉をする場合には注意すべき点がいくつかあります。

 

賃料減額交渉における注意点

特に重要なのは、「物件オーナーとの関係を悪化させないようにする」ということです。

物件オーナーにとって、賃料を下げるということは収入・利益が減ることを意味します。
つまり基本的に喜ばしいことではなく、むしろ避けたいことであるのは間違いありません。
減額を要望されたとき、ある種の緊張感が生まれるのは自然なことです。

そして物件オーナーや不動産の仲介管理会社の担当者も、当然ながら人間です。
物件オーナーや不動産会社としても、気に入らない相手に対して賃料を減額してあげようという気持ちにはなりません。
そればかりか、要望の内容や論理展開、資料や伝え方、タイミングなどを見誤れば、心証を損ない、要望が通らないばかりか関係が悪化してしまう恐れがあります。

特に物件オーナーが近所に住んでいる場合、家賃減額交渉によってオーナーとの関係が悪化してしまうと瞬く間に悪い噂を言い触らされ、それによって客足が遠のいてしまうという可能性も否定できません。
賃料減額交渉をするにあたっては、どのような形で要望・交渉すれば相手との関係を悪化させないで済むのかといった点をしっかりと考慮することが重要なのです。

またオーナーが法人の場合は特に、関係が悪化してしまったときに新規出店に立候補しても理解・協力を得られないといった結果を生みかねません。

賃料コンサルタントをはじめとする賃料削減交渉をサポートする業者のもとを訪れる経営者様の中には、既に自分たちで賃料削減交渉を開始されている方もいらっしゃいます。
「自社のことだから自分たちでできる」と考えて実践した結果、不動産や賃貸借、資料の準備や伝え方、適切な要望・交渉の進め方などに関する理解が欠けていたことにより、物件オーナーとの関係をこじらせてしまっている方は多くいらっしゃいました。

これは賃料減額交渉に限った話ではありませんが、交渉を行う上で一度関係をこじらせてしまうと、あとから専門的な第三者が介入したところで、元通りの良好な関係を取り戻し、さらにこちらの要望を通すのは至難の業となってしまいます。

とはいえ、オーナーとの関係悪化を恐れ、何もせずに賃料の据え置きを受け容れるのも考えものです。
オーナーとの関係を良好に保ったまま、あくまでも権利として賃料の減額依頼をするべきと考えます。
オーナーの心理を理解した減額依頼ならば、賃料減額を依頼しながらもオーナーとの関係を良好に保つことは可能ですし、むしろ以前より関係が改善されたケースも多々あります。

そこで、賃料減額交渉を行う際には、「とりあえず」交渉を開始する前に賃料コンサルタント等に相談されることをおすすめします。
サポートを受けずに自分たちで進めるとしても、交渉にあたってのアドバイスや第三者からの客観的な視点を獲得することによって、オーナー側との関係を悪化させることなく、交渉をスムーズに進めて減額の成功率を高めることができるのです。

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