テレワークがオフィス需要に与える影響

新型コロナウイルスによる対応をきっかけに企業のテレワークへの認識に変化が生じております。
テレワークが一般化すると、従来のオフィススペースが不要になることから、企業にとって適正なオフィスの立地や面積を再構築する動きが必要になります。
ここでは、テレワークがこれまで堅調であったオフィス需要にどのような影響を与えるのか考えていきたいと思います。

まず、テレワークがどのような企業に浸透しているかをみていきましょう。
日本経済新聞社が実施した国内主要企業145社からヒアリングをしたアンケート(6月30日から7月15日の間)では、テレワークを実施している企業は95.2%に達しており、元々東京オリンピック・パラリンピックに備えて準備を進めていたこともあり、ほとんどの企業で急速に働き方を転換する様子が窺えます。
テレワークにより生産性が落ちないことを確認した大手IT系の企業では恒久的に原則テレワークに踏み切る企業も増えつつあります。
一方で、米デルテクノロジーズ傘下の日本法人デルとEMCジャパンが発表した7月初旬にテレワークを導入している中小企業(全国の従業員数99人まで)の調査の結果では、普及率は36%と、3月の調査からは23ポイント大きく上回るものの、国内主要企業と比較するとまだまだ低い水準にあり、従業員数が少なくなるにつれて導入の割合が低下する傾向がみてとれます。

オフィス需要にもすでに変化の兆しがでてきております。
三鬼商事が7月9日に発表した6月末時点の東京都心5区の100坪以上のオフィス平均空室率をみますと、空室率は1.97%と依然として低い状況にはありますが、前月比で0.33ポイント上昇しており、その上昇幅は2010年2月以来10年4か月ぶりの高水準になっております。
また、テレワークと相性がよいIT系の企業が多く入居する渋谷区が他の区と比べ、上昇率が大きく、テレワークの普及が既存オフィスの解約や縮小を誘引していることが窺えます。

さきほどの国内主要企業のアンケートでも、37.9%の企業が「オフィス面積の縮小を検討している」とあり、これまでの都市型、情報集約型のオフィス需要はやはり減少していくものと考えます。
オフィスを解約する場合には、通常6ヶ月間の予告期間が必要なことから、年末にかけてその傾向がより表面化していくものと思われます。
一方で、自宅でテレワークを推進する企業の社宅としてSOHOや、混雑を避ける郊外型のシェアオフィスやサテライトオフィスなどテレワークを基本とした職場を整え対応する企業が増えていくのではないかと思います。

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