クリーニング業界の動向とコスト削減の重要性

総務省統計局が公表している2014年の「家計調査報告」では、1世帯あたりのクリーニング代支出額は7,164円でした。
2004年の9,942円と比較すると、10年間で30%近く減少しています。
さらに1994年の支出額をみると17,883円であり、20年間でなんと約半分程まで減少しています。
クリーニング業界は長期的に市場規模縮小が続いているといえます。

この傾向の主な要因としては、長期的な景気低迷による節約志向、ビジネスの場における服装のカジュアル化の進行、ノンアイロンシャツ・形状記憶シャツにみられる繊維素材の革新が挙げられます。
また夏場は汗をかきやすいため一年の中でもクリーニング代支出額が大きくなる傾向がありますが、クールビズの浸透などによって他のシーズンとの差が縮まっています。
加えて2020年からの新型コロナウイルス感染拡大に伴う在宅ワークやリモートワークの潮流もあり、スーツなどのクリーニングの必要性がますます減少しています。

そのような状況下、クリーニング業界を取り巻く外部環境は良くなる気配がなく、市場が縮小する中で競争が激化しています。
今後は出店場所の選定、利便性の高い営業時間、効果的な広告宣伝、コストコントロールといった生存戦略が一層重要となると考えられます。

ここではコストコントロールに着目します。
クリーニング店のコストとしては、洗浄剤と薬剤の購入費、ブラシなどの消耗道具調達費、人件費、ガソリン代、水道光熱費、家賃などがあります。

その中でも特に、売上に関わらず毎月固定でかかってくる家賃・賃料は決して無視できない負担です。
家賃・賃料の負担を減らすにはどうすればいいのでしょうか。

まずよく考えられるのは、より安い物件に移転するという手段です。しかし、原状回復費用や設備投資費用など、大きなコストがかかる上に既存顧客を失うことにも繋がります。

一方で、そうしたコストをかけることなく、現在の物件の家賃が適正であるかを調べ、適正値から外れている場合に減額を目指すという考え方もあります。

賃料削減・賃料減額とは一体どのようなもので、どのような流れで行われるものなのかなどについては、こちらのページにまとめています。