新型コロナウイルス感染症に関する賃貸人への支援制度

新型コロナウイルス感染症に関連する賃貸人への支援策の概要をまとめました。

1.持続化給付金

持続化給付金とは、新型コロナウイルス感染症拡大により、営業自粛等により特に大きな影響を受ける事業者に対して、事業の継続を支え、再起の糧としていただくため、事業全般に広く使える給付金を給付するものです。

対象者:以下のすべてを満たす者
・新型コロナウイルス感染症の影響により売上が前年同月比で50%以上減少している者
・資本金10億円以上の大企業を除き中堅企業、中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者や医療法人、農業法人、NPO法人、社会福祉法人など会社以外の法人についても幅広く対象となります。
受給上限金額:個人事業者:100万円、法人:200万円
計算方法:前年の総売上-(前年同月比▲50%月の売上×12カ月)
※注意点として、個人大家さんの場合、確定申告書類における家賃の計上が不動産収入ではなく、事業収入である必要があります。

出典・参考:経済産業省「持続化給付金に関するお知らせ」

2.賃料を減免した場合の措置

~取引先の賃料を免除した場合の損失の税務上の取扱いの明確化について~

新型コロナウイルス感染症の影響により賃料の支払いが困難となった取引先に対し、不動産を賃貸する所有者等が当該取引先の営業に被害が生じている間の賃料を減免した場合、その免除による損害の額は、寄附金に該当せず、税務上の損金として計上することが可能であることが明確化されました。

賃料を減免した場合の条件
①取引先等において、新型コロナウイルス感染症に関連して収入が減少し、事業継続が困難となったこと、又は困難となるおそれが明らかであること
②実施する賃料の減額が、取引先等の復旧支援(営業継続や雇用確保など)を目的としたものであり、そのことが書面などにより確認できること
③賃料の減額が、取引先等において被害が生じた後、相当の期間(通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間をいいます。)内に行われたものであること

出典・参考:国税庁「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」

3.納税の特例猶予

新型コロナウイルスの影響により事業等に係る収⼊に相当の減少があった⽅は、1年間、国税の納付を猶予することができます。
担保の提供は不要ですし、延滞税もかかりません。
※猶予期間内における途中での納付や分割納付など、事業の状況に応じて計画的に納付していただくことも可能です。

対象事業者:以下のいずれも満たす方(個人法人の別、規模は問わず)が対象
① 新型コロナウイルスの影響により、令和2年2⽉以降の任意の期間(1か⽉以上)において、事業等に係る収⼊が前年同期に⽐べて概ね20%以上減少していること。
② ⼀時に納税を⾏うことが困難であること。
※「⼀時に納税を⾏うことが困難」かどうかの判断については、少なくとも向こう半年間の事業資⾦を考慮に⼊れるなど、申請される⽅の置かれた状況による。
対象となる国税
① 令和2年2⽉1⽇から同3年2⽉1⽇までに納期限が到来する所得税、法⼈税、消費税等ほぼすべての税⽬(印紙で納めるもの等を除く)が対象になります。
② 上記①のうち、既に納期限が過ぎている未納の国税(他の猶予を受けているものを含む)についても、遡ってこの特例を利⽤することができます。

出典・参考:国税庁「国税の猶予制度」

4.固定資産税等の軽減措置

新型コロナウイルス感染症の影響で事業収入が減少している中小企業者・小規模事業者の2021年度の固定資産税・都市計画税が減免されます。

減免対象:いずれも市町村税(東京都23区においては都税)
・事業用家屋及び設備等の償却資産に対する固定資産税(通常、取得額または評価額の1.4%)
・事業用家屋に対する都市計画税(通常、評価額の0.3%)
減免率
2020年2月~10月までの任意の連続する3ヶ月間の事業収入の対前年同期比
・50%以上減少の場合、全額
・30%以上50%未満の場合、2分の1
※賃料支払いを猶予した場合も収入の減少として扱われる。

出典・参考:中小企業庁「固定資産税等の軽減措置」

詳細については、管轄する各省庁のホームページなどからご確認ください。
また、上記は調査時点での情報であり、変更などある場合があります。

その他、各自治体によって独自の補助金等の支援策が行われているところもございます。
支援策の有無などは各自治体までお問合せください。