継続賃料を求める手法、スライド法について

今回は不動産の継続賃料を求める手法の一つであるスライド法について説明したいと思います。継続賃料は、賃貸借契約が継続中において、現行の賃料が何かの理由で不相当となった際に、賃貸人・賃借人間で新たに設定される賃料のことです。今回説明しますスライド法は、現行の賃料をベースにして、その後の経済情勢の変動分を反映させる手法となります。

では、具体的な算出方法をみていきます。算出式としまして、

「現行賃料」×「変動率」

もしくは

(「現行賃料」-「現行賃料設定時の必要諸経費」)×「変動率」+「再設定時の必要諸経費」

を使用して算出します。

ここでポイントとなるのは「変動率」であり、物価の変動や所得水準の変動などといった経済情勢の変化を表す指標をベースとし、各種指数を総合的に勘案して求めます。具体的な指標としては、家賃指数・路線価格指数・賃金指数、消費者物価指数、GDPなどがあげられます。

現在の賃料をベースにし、その後の経済情勢の変動分を反映させるスライド法は、借地借家法第32条1項に定められる賃料等増減額請求権に示されるような経済事情の変動によって、現行賃料が不相当となっているのであれば、その変動分を現在賃料から増減させることとなり、借地借家法の趣旨に沿った手法と言えます。実際に過去の判例でもこの手法により新たな賃料が決定された例が多数あります。

一方で、現行賃料が元々不相当であった場合(近隣相場よりも大幅に高い賃料設定)など、各契約の個別性が反映されにくい点や、変動率を求める際にどのような指標を使用し、どの程度反映させるかによって、同じスライド法を用いたとしても結果に差が出てくるなどといった問題点があります。

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