東京オリンピック開催決定の影響で高騰する家賃

開催延期(もしくは中止)となったものの、2020年に東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定してから、都内湾岸エリアの不動産市場では様々な変化が起こりました。
オリンピックの開発が原因と言われる不動産市場の値上がりです。

オリンピックの会場となる場所を確認しよう

オリンピックの開催地について、中央区晴海に建設予定の選手村を起点として2つのゾーンが設定されました。
ヘリテッジゾーンでは、前回も会場となった国立代々木競技場や日本武道館などの会場が使用され、東京ベイゾーンでは、夢の島公園や潮風公園といった人々の憩いの場が競技会場として使用される予定でした。

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選手村は大江戸線の勝どき駅が最寄りですが、交通の便が悪く地価も比較的安価でしたが、東京オリンピックの開催が決まってからは、近隣で建設中の分譲マンションには申し込みが殺到しました。

実際に東京の地価は上がっているの?

実際に地価の上昇も見て取れます。
下記のグラフは国土交通省が発表する毎年1月1日時点の地価公示を、都心5区の商業地について抜粋したものです。

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リーマンショック以降緩やかに下がり続けてきましたが平成25年で底を打ち、上昇に転じています。
東京オリンピックの開催が決定したのは平成25年9月です。選手村の設置される中央区の上昇は顕著であり、既にリーマンショック以前の地価を超えています。

都心5区のオフィス賃料の動向は?

地価だけでなく、ここで同じ都心5区のオフィス動向にも目を向けてみましょう。
下図は、三鬼商事が毎月公表しているオフィスビル市況レポートから集計したものです。
基準階面積100坪以上の主要なオフィスビルで、新規募集条件を対象とされています。まずは平均空室率です。

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オフィス空室率は5%程度が望ましいとされる中で、平成20年8月時点での都心5区平均の空室率が3.86%と非常に低くオフィスビルは高稼働状況であったといえます。

しかしながら、こちらもリーマンショックを境に急激に空室率が上昇しています。
そして平成24~25年から下落を続け、平成28年8月時点では都心5区平均が3.90%となりリーマンショック前の水準に近付いていることが分かります。

都心5区の平均賃料の推移

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平成20年8月時点での都心5区平均賃料は坪当り22,901円でしたが、リーマンショックを境に急激に賃料は下落しています。
そして平成25年で底をうち、上昇に転じています。

しかしながら、平成28年8月時点の都心5区平均賃料は坪当り18,322円と、リーマンショック前の水準からはまだ大きな乖離があります。

これは空室率の改善とは大きく異なります。

リーマンショック以降、経済が停滞し企業はコスト削減意識が高くなりました。
当然、新規のオフィス需要は小さく、また既存のオフィスも縮小傾向にありましたので、オフィスビルの賃貸人は賃料を下げてテナントを確保してきました。このようなことが背景にあり、空室率の低下に比べ、賃料の上昇は遅れているのだと考えられます。

物件賃料は、景気動向で大きく変わる

このように、商業施設などの賃料は景気動向によって大きく変わるのです。

ちなみに2008年に開催された北京オリンピックでは、開催決定後は開催地周辺の不動産価格が急騰し、物件によっては8倍以上に跳ね上がりました。
もちろんそれは賃料においても例外ではなく、急騰した賃料を払うことができないために出ていくことを余儀なくされたテナントも数多くありました。

昨今では、賃貸人から賃料の増額通知が届いて困っているというお客様の声をよく耳にします。
オフィスビルを借りる以上は、地価の推移やオフィスビルの動向には注意する必要があるでしょう。

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