販売管理費とコスト削減
店舗展開している企業にとっては、店舗業績の積み重ねが企業全体を支えているだけに、個々の店舗の業績推移は重要です。
売上高が右肩上がりに伸びている時代は、売上高のボリュームがあることで、経常利益率が低くとも、利益がでていることで見過ごされてきました。
ところが、現在のように人口減、低経済成長下にあっては、売上高を維持することすら難しく、
売上増大のための販促を打つより経費を減らすことで利益を確保することに注力することがよく見られます。
飲食業では、FLコストは売上比率60%以下に、というコストコントロールの目安があるように
経費の中でも、特に注目されるのは原材料費、人件費で、最も大きな比重を占めているといえます。
原材料費率や人件費は、サービスの提供方法によって業種により異なるとはいえ、
それら経費は売上高に連動して変動する経費であり、基本的にはコントロールさえできていれば、一定の比率で推移します。
その他の経費の中で最も気になるといえるのが、賃料です。
賃料は、ショッピングセンター等商業施設では売上歩合を採用しているケースもありますが、路面店等不動産物件のほとんどは固定賃料です。
つまり、当初の賃貸借契約により決定した賃料は、その店舗や事業所の売上高の増減にかかわらず、一定の金額を支払い続けなければならない固定経費になります。
あるチェーン店舗では、賃料比率は売上の10%以下、できれば7~8%までに抑えたいという声を聞きます。
ただ固定費であるがゆえ、一定以上の売上高を確保しているのならともかく、売上減が続くようであれば、経費に占める割合は増加する一方です。
店舗を展開されている方々は、常に売上高を増加させるべく努力をされていると思います。
しかしながら、いつのまにか売上高の維持が厳しく、結果的に賃料比率が高くなり収益性を圧迫していることがしばしばあり得ます。
日常的にコスト削減の必要に迫られていることかと思われますが、経費の中でも賃料が大きな負担になっていないか再度検討してみることも必要ではないでしょうか。
賃料削減・減額交渉は実際のところどうなのか