どうなる?タワマン節税!最高裁判決が相続税対策に与える影響は?

最高裁判決ってなんのこと?
うーむ・・・
どうしたのよサカタ、渋い顔して
いやぁ、裁判の判決が出ましてね・・・
え!?裁判!?
離婚?それともここではとても書けないようなコンプラ的に完全アウトな事案?やっぱりケダモノなのね!紳士ヅラしてるからって信用したあたしがバカだったわ!こっちに来ないで!それ以上近づいたら舌を噛むわよ!
ちょっとトプロちゃん!落ち着いて!
違いますよ、不動産の相続税額の算出方法をめぐって争われていた注目の裁判の判決が出たんですよ。この判決によって今後の相続税対策や不動産鑑定の仕事にも影響があるかもしれないんです。
ん?サカタが訴えられたんじゃないわけ?
そうですよ!
坂田先生は賢いから悪いことしても事件化しないよう巧妙に工作するもんね!
人聞きの悪いこと言わないでください!
以下をご参照ください。
(枝毛を探している)
ゴメン、全然わかんないや
では、解説いたしましょう。
この裁判は故人から不動産を相続した相続人が原告となって国税当局を相手に起こした訴訟なんですが、それがなぜ注目されているかというと「マンション節税・タワマン節税」に影響を与えそうだからです。
マンション節税?タワマン節税?
(枝毛を探している)
マンション節税・タワマン節税とは?
マンション節税とかタワマン節税とかタワマンスキームとか色々呼び方はありますがここではタワマン節税で統一しましょう。
いわゆるタワマン節税というのはですね、路線価と不動産の実勢価格の差額を利用した相続税対策の一つで、
不動産にかかる相続税を算定する際には路線価をもとに不動産の価値を算定して相続税額を決定するのが国税当局も認めている方法なのですが、路線価と不動産の実勢価格には一定の乖離(路線価の方が安い)があるため現金をそのまま相続するよりも生前に不動産を購入してその不動産を相続させた方が差額分相続税が少なく済むというカラクリです。
なるほどー金持ちは色々セコいことやってるんだなー
まあ、相続財産の額が大きければ大きいほど税率も高くなりますからね、そのままごっそり持っていかれるより合法的に安くできるなら少しでもお安くしたいと思うのが人情でしょう。
そうね、レントくんなんてこないだ立ち食いソバ値切ってたじゃない。「天ぷらが小さい」とか言って。
げ!見られてたのか・・・
そ、それで裁判とタワマン節税にどんな関係が?
故人から不動産を相続した相続人が国税当局を訴えたというのは先ほど申しましたが、その理由というのが国税当局から路線価による財産評価を「適当でない」と判断され、国税当局による独自の不動産鑑定により追徴課税を課せられたことを不服として訴えを起こしたからなんです。
えー!国税庁が路線価を参考にしろって言ってるのにひどくない?
そうだよねー!
それで裁判の結果はどうなったの?
最高裁の判決は・・・
一審、二審と国税側の判断が妥当との判決が下され、原告側がそれに上告していたのですが、この度最高裁にて上告が棄却され原告の敗訴が確定しました。
えー!なんでー!?
デモよ!デモ!血が騒ぐわ!ゲバ棒持ってこい!おらー!
お二人の気持ちもわかるのですが、路線価による財産評価と実勢価格があまりにも乖離しているため「他の納税者との間に看過しがたい不均衡が生じ、租税負担の公平に反する」という事になったようです。
やはり節税を意図して借り入れをしていたりと行き過ぎた節税により税負担の公平性が損なわれると判断されたのが原告敗訴の原因ではないでしょうか。
うーん、確かにそういう角度から見たら判決にも頷けるかもなー
そうね、でもそうなると路線価を根拠とした財産評価自体に疑問が生じてきちゃうわねー
そうですね。「路線価などによる画一的な評価を行うことが実質的な租税負担の公平に反する事情がある場合は〜」という事ですが、基準が明確ではないですからね、今後どのようになるか要注目です。
最高裁判決による業界への影響は?
それで結局これからどうなるの?
タワマン節税はできなくなっちゃうのかな?
うーん、これからどうなるかは正直私にもわからないですね。
それに私にも立場というものがありまして軽々しくああなりますこうなりますと言うわけにもいかッ・・!(口にスリッパを突っ込まれた)
だまらっしゃい!
何のためにアンタに聞いてると思ってるのよ!
うわ、えげつないことするなぁ!
コロン・・・
貝・・・?
これはハマグリの偽物として名高いホンビノス貝だね!
ほほー、あくまで沈黙を貫くという意思表示ね!
いい度胸じゃない、口を割らないのなら叩き割るまでよ!レント君!ハンマーちょうだい!
待ってください・・・
今わたしはボストンのビーチの砂の中からあなた方の脳に直接語りかけています・・・
・・・サカタ?
サカタ?私は貝です。
いずれクラムチャウダーになるボストンの貝・・・
ボストンのあるアメリカ東海岸はホンビノス貝の産地で、ボストンを中心としたニューイングランド地域の名物料理がホンビノス貝を使ったクラムチャウダーなんだよね!
考えたわねサカ・・いやホンビノス貝。続けてちょうだい!
本件のように路線価による財産評価が国税当局に著しく不適当と判断されれば同様の結果になる可能性も考えられますが、著しく不適当か否かを決めるのは国税当局ですからね、私は貝ですからそれについて確かな事は申し上げられません。
それに今回、国税当局は裁判で原告には勝ちましたが、原告と争う中でこれまで自らが求めてきた路線価による財産評価の不確実性を暗に認める事なってしまいました。
今後どのような方針で対応していくのか当事者である国税当局内でも明確になっていないのかもしれないですね。
確かにそうね・・・
どうなるかなんて今は誰にもわからないかもしれないわね。
そうですね。はっきりしたことが言えず申し訳ないですが無責任な事をお伝えするわけにもいきませんので・・・
あと、現在こういった状況ですので現在進行形で不動産の相続を控えている方は慎重に会計士や税理士と相談なさった方がよいでしょう。ボストンからは以上です。
不動産鑑定士としてはどうなの?仕事に影響があるかもって言ってたよね?
路線価による財産評価の地位が揺らぐことで官民双方から不動産鑑定の需要が生まれるのではないかと少し期待してはいるのですが・・・
やったー!大儲けじゃん!トプロちゃん!坂田先生が奢ってくれるって!
まだどうなるかわからないし、そんなに儲かるわけないじゃないですか!
立ち食いソバならいいですよ。
サカタのせいで貝が食べたくなっちゃったわ、クラムチャウダーもいいけど貝はやっぱり網焼きよね!磯丸行くわよ!磯丸!
コロン・・・
都合良く二枚貝になるなよ。
ピョコッ・・・
水管を出すな。
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